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『ひらいて』 綿矢りさ 感想

 

掃除の時に何やら奥から出てきた小説「ひらいて」。もともと活字は嫌いではないので、没頭3〜4ページ読むとなんだかその続きが読みたくなって、合間を縫って読んでみることに。

 

ひらいて (新潮文庫)

ひらいて (新潮文庫)

 

 

そもそも普段から本など読まないので、もちろん綿矢りささんの作品も初めてなわけだけれども、展開が予想外に凄まじくてびっくりしてしまった。

 

物語

物語は簡単に言えば、人並みに友達もいてモテる愛、冴えなく地味な男子の西村たとえ、病気持ちの美少女 美雪の3人の三角関係の話。愛の目線から語られる。

たとえが好きな愛は、盗み見た手紙からたとえと美雪が付き合っていることに気づく。嫉妬して、たとえを振り向かせることができないと分かると、美雪にも近づいて仲を裂こうとする。

 

共感できるか、できないか 

結論からいうと、わたしは愛に「共感はできる」かな。光浦さんは共感できないって感想を添えていたけど。

そもそも愛だけじゃなくて、この物語自体に「あ〜わかる!こういうことあるよね!」っていう話がたくさん盛り込まれていた。

 

好きな人を振り向かせたい。自分だけを見ていてほしい。好きな人の前用の偽りの自分。好きな人が好きな人のことを知りたい。その人が大切にされていることが分かると余計に腹が立つ。でも知りたい。うん、わかる。

 

ソックスの刺繍なんかは時に共感出来る部分で、表向きは綺麗に見えるけど、裏を見れば不規則な糸でぐちゃぐちゃに縫い付けてあるだけ。わたしの場合、専門学生時代は本当にそんな感じだった。とくに1年目は。おかげで5キロ痩せた(笑)

 

友達とはお揃いのキーホルダーを付けることで、仲間であることを証明し合い、それを崩れさせるのは大抵「同じ人を好きになった」とかいう恋愛で、一度仲が悪くなれば戻ることはない。うん、あるある。

 

作り笑顔に疲れる日々もね、誰もが経験すると思うけど。そういえば、昔誰か忘れたが、わたしがニコニコしていたら「その顔嫌い」って言ってきたことがあって、わたしの人生に小説みたいな出来事もあるなんてなぁ、って思ったこと思い出した。「そうか、それなら」ってその日から作り笑いをやめたら、いつの間にかクラスに馴染んで、「あぁ、あれが作った笑顔だということ、みんなに分かっていたんだな」と思ったっけ。そのくらい、愛と同じように若い頃の自分たちは感性がビンビンしていたんでしょうね。

 

言いたいことって? 

題名の「ひらいて」は、最終的には単純に「心をひらいて」って事と解釈した。

愛はたとえと美雪に受け入れられたけど、愛が求める「そこにあなたがいるだけでいい」と言ってくれる人にはまだ出会えていない。(恋人というカテゴリでは。)

そういう人に出会いたければ、偽りのない勇気を出して自分を「ひらいて」いくしかない。愛には頑張ってほしい。

 

さいごに 

そう言えば、昼休みに本を読んでいたら「文学少女になったの?」「こんな珍しいこともあることか」と色々な人が失礼なことを言ってきたが、まぁいいでしょう(笑)